紳士的?その言葉、似合いません!



呆れたようにバッサリと言う先輩。そこまでぶった切らなくてもいいんじゃなかろうか。わたし結構計画性ある方だし無理じゃないと思うんだけど。


不満そうな表情をしていたのか先輩はそれはもう深いため息をこぼした。



「確かにあんたならそれでも生きていけそうなのは否定しないけどね…」



若干遠い目をしながらゴクリと気持ちよくお酒を飲む先輩。禁酒中のわたしに対する嫌がらせにしか見えない。



「じゃあどうして、」


「あんた云々って話じゃないでしょうが。相手はあの都築さんよ?『あの』都築さんなのよ?それだけで無理だって断言できるわ」


「……」



なぜ2回も強調したのか。怖いんだが。


そう言えば、と思い出す。わたしは秘書課に行くまでは別の部署にいてその時は都築さんのことは知らなかった。そりゃあ噂話としてはそれなりのものを聞いてたりもしたけど。


対して先輩はずっと秘書課で働いていて意外にも都築さんとは長い付き合いだったりするのだ。つまり先輩は都築さんのことをよく知っているわけで…下手したらわたしの知らない都築さんの一面も知っているわけで。


無意識のうちにゴクリと喉が鳴る。先輩があそこまで言うにはそれだけの根拠がある、ってこと、だよね…?




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