紳士的?その言葉、似合いません!
◇悔しいくらい、あなたが好き
「結婚おめでとう」
「表情と言葉が一致してませんよ」
「そうね、じゃあ結婚ご愁傷様。ようこそ悪魔による被害者の会へ」
「あはははは、何ありがたくもない会へ招いてくださってるんですかーっ!!」
うわああぁんっ、とテーブルに伏せって泣けば先輩は「これは運命よ、諦めなさい」とすでに悟った目でわたしを哀れむように見ていた。
あの夜からすでに1週間が経っているけどこの1週間は怒涛の展開だった。
まず一番に婚姻届の提出、そしてわたしの部屋を引き払い引っ越しがてら両親に挨拶。都築さんの両親は現在海外にいるようで画面越しだった。
都築さんが言っていたようにわたしの存在はすでに知っていたようで「あらあら、湊に捕まっちゃったのねぇ」とお義母さまから言われ「だいぶ時間かかったなぁ。湊の執着心凄まじいから気をつけてね」とお義父さまから言われた。
反対かと思えばむしろ歓迎ムードだったのは良かったのかどうなのか…子どもがいると言ったときも生温い視線をもらうだけで特に非難もされなかったし。
うちの両親への挨拶に関しては諸手を上げて引き渡された。2人とも、もう少し惜しんでくれてもいいのではなかろうか。そんなに娘の結婚事情が不安だったのか。