紳士的?その言葉、似合いません!
若干遠い目をしつつ手の中にある資料を整理する。仕方がない。こうなってしまったなら私がすべきことはただこのどうしようもない親友のフォローのみ。
こういう考えに至るまではかなりの時間がかかったがそれも腐れ縁の為せる技だ。誰が私の立場でも否が応にもこうなる。
とりあえずフォローするにもどうしてそうなったのか過程が分からなければ仕様もないので聞いてみれば更に頭痛に悩まされることになった。
鷹斗…貴女が彼女のことをどれだけ欲してるかは理解していましたが本能のままに行動するのはやめなさいとあれほど言ったのに…
愛する女性を手元に置いておくためにはどうすれば良いか考えた末に子どもを孕ませて結婚に持ち込むとか効率的ですが本能に準じすぎです。
がしかし、これが鷹斗なのだ。見た目は冷たい印象しか与えない氷のような人物でもその中身は自分に素直で本能に従順。自分の意識の範囲に入らないものには無関心。
その反面自分の懐に入れたものに関しては手離すことはない。というか自分のもの認定したものは自分のもとにあるのが当たり前という傲慢な考えを持っている。
無関心なものはどうでもいいが、気に入ったものには執着が激しいところは私と似ている。だからか幼い時に会ったときから私と鷹斗は妙に気が合って私は鷹斗の側付きのようなことになった。私自身鷹斗の側はいるのが心地よかった。