紳士的?その言葉、似合いません!
あぁ、今はそんな回想をするよりもまず。
「斉木(さいき)さんに謝りに行きますかね…」
「俺も行きた、」
「私は貴方のしたことを謝りに行くんですが?」
ニッコリと口だけで笑えば私の怒り具合がわかったようで渋々ではあったが大人しく資料と向き合ってくれた。
これでも昔と比べたらだいぶ聞き分けは良くなったのですよ。というのも一度ブチ切れて私が鷹斗に暴りょ……体に躾けましたから。これからは斉木さんに任せられると思えば精神的疲労も減らせますかねぇ。
とりあえず今しなければならない仕事をさっさと終わらせて社長室から逃げないように鷹斗に言い聞かせて部屋を2つ挟んだ秘書課に向かう。隣でないのは、まぁ鷹斗のルックスを見れば必要な処置であったとだけ言う。
秘書課に入りちょうどお目当ての人がいたので廊下に呼ぶ。中で話してもいいが私もそれなりに目立つ容姿なのですぐに周りがわかる廊下の方が話も聞かれにくいし無駄な鷹斗の嫉妬からも逃げやすい。
「どうしましたか?」
「いえ、鷹斗からついさっき昨日起こったことを聞いたので謝罪に来ました」
すみません、と言えば斉木さんは「あぁ、あれ…」と遠い目をして…いや、鷹斗のことなので無理矢理感は多少あったとは思いますが本当に何をしたのか。斉木さんのこんな姿初めて見ました。