向日葵にさよなら。
 
 本当にこのチョイスで良かったのだろうか? 花の向きは変じゃないか? 万が一すぐ枯れてしまったらどうしよう。

 いつもなら考えないようなことが頭のなかを巡ってしまい、いつもより完成するのに時間がかかってしまった。


「ごめん、大分時間がかかっちゃって……。こんな感じでどうかな」

「すごい! とってもかわいくて、もらったら絶対に元気が出ると思う。本当にありがとう!」


 完成品を彼女にみせると、彼女はうちの商品に匹敵するほどの華やかな笑顔で応えてくれた。


「ありがとうございました」

 お会計を済ませた彼女の背中を見送った。倉本はもう病院に向かったというのに、僕の目にはまだ彼女の笑った顔が焼きついている。

 率直な感想を言えば、すごく可愛かった。遠目で見ていた時よりの何十倍も破壊力があった。

 でも、ただ可愛いと感じるだけじゃなかった。どちらかといえば、ある違和感の方が強く残っていた。

 


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