・キミ以外欲しくない
不安になりかけた時「そうだよ」と声が聞こえた。
ホッとしながらも、部屋に居る事を不思議に思い、起き上がろうとした私に近づいてきた副社長が言った。
「まだ明かりが点いていたけど、覗くと寝ていたから。灯りを消しに入っただけだ、起きなくていい」
頭を撫でられ優しく囁かれた声に安心し、瞼を閉じる。
同時に、柔らかくて温かいものが唇に触れた気がした。
これは夢だよね?
突然の事に抵抗する気にならないのは、やはり夢の中だから?
それとも、私が望んでいる願望だから?
重ねられているのはポテッとした、あの唇?
だとしたら、なんて柔らかくて感触がいいのだろう。
もっと触れていたい……。
気が遠くなるように、私は夢の中へと落ちていった。
朝日が差し込み、眠い瞼を擦りながら起き上がる。
昨夜、微かに触れた唇の感触を思い出すように口元に指先を当てた。
やはり夢だったのだろうか。
あれが現実ならば、こんなにぐっすりと眠りについてしまった自分を叱りたい。
寝癖が付いたまま、部屋のドアを開けると。
リビングには既に身支度を済ませた副社長が、ソファに座り新聞を読んでいた。
「おはよう、ございます」
「起きたか。早く着替えろよ」
変わらない態度である副社長の様子から推測するに、やはり夢だったのだと確信し。
慌てて支度を始めた。
ホッとしながらも、部屋に居る事を不思議に思い、起き上がろうとした私に近づいてきた副社長が言った。
「まだ明かりが点いていたけど、覗くと寝ていたから。灯りを消しに入っただけだ、起きなくていい」
頭を撫でられ優しく囁かれた声に安心し、瞼を閉じる。
同時に、柔らかくて温かいものが唇に触れた気がした。
これは夢だよね?
突然の事に抵抗する気にならないのは、やはり夢の中だから?
それとも、私が望んでいる願望だから?
重ねられているのはポテッとした、あの唇?
だとしたら、なんて柔らかくて感触がいいのだろう。
もっと触れていたい……。
気が遠くなるように、私は夢の中へと落ちていった。
朝日が差し込み、眠い瞼を擦りながら起き上がる。
昨夜、微かに触れた唇の感触を思い出すように口元に指先を当てた。
やはり夢だったのだろうか。
あれが現実ならば、こんなにぐっすりと眠りについてしまった自分を叱りたい。
寝癖が付いたまま、部屋のドアを開けると。
リビングには既に身支度を済ませた副社長が、ソファに座り新聞を読んでいた。
「おはよう、ございます」
「起きたか。早く着替えろよ」
変わらない態度である副社長の様子から推測するに、やはり夢だったのだと確信し。
慌てて支度を始めた。