飛蝗者
会わない日が続くと片想いには拍車がかかる。
彼が脱いで出て行った黒のパーカーを抱いて眠り、彼がパソコンに入れっぱなしにしていたCDを聴いて、彼の読みかけの文庫をめくった。

そんなことをしながらもレポートが片付く頃、インターホンが鳴った。

正大が部屋を出て行って、8日目の夕方だった。
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