飛蝗者
なんだおまえ、いとうせいこう読むのか。
父はどこか楽しそうな調子でそう言った。

たった今、父が手に取ったのは、私が先ほどまでめくっていた『ノーライフキング』だった。

いとうせいこうだけじゃないと気が付いた父は、本棚に更に近付いて、ライムスター宇多丸の本もみうらじゅんの手がけたムックも、また彼らのインタビューが載った雑誌も興味深そうに閲覧している。

AERAやダ・ヴィンチがここ2年分揃っていることにも感心しているようだった。
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