..恋の方程式..

第１章

泣くだけの恋

「泣くだけやからやめとき!」

親友の麻衣に好きな人を
報告して始めに言われた
言葉だった…

「五十嵐さん分かる?」

先生の声が頭にのこる…

私は軽く首を傾けた。

受験生の私は
数学が大の苦手だった。

全国模試の数学の点数は
４点だった。

数学が出来ない私に
仲谷先生は
頻繁に声をかけて
くれるように
なった…

そんな仲谷先生に
私は一目惚れを
した。

『恋なんてもぉしない。』

そぉ決めてたのに…

「好きな人出来た…」

塾の帰り、
麻衣に話した。

「誰??」

「さぁ?誰やと思う?」

「山田?橋本?辻野?」

麻衣は次々に
同学年の男子の
名前をあげた。

それを聞きながら
私は首を横に振った。

「まさか…仲谷?
あんた最近
『かっこいい』言うてたし…」

私はうなずいた…

「泣くだけやからやめとき!」

予想通りの
言葉が返ってきた。

「やっぱり?」

「仲谷やで??
性格悪いって絶対!」

親友の麻衣は私を
必死で止めた。