ありがとう。ごめん。あなたが好き。

出会い

えっと、教室って確か3階に上がってすぐの教室だよね。

あっ、ここかな?

まぁ、よく分からないけど入ってみよ。

「おじゃましまーす(小声)」

あれ、誰もいない?

え?!どうしよ!もしかして迷子?

『君、おどおどしてどうしたの?』

男の人の声?

どこから?

『教室の中だよ。』

「あっ、」

気づかなかった・・・

『やっと気づいたー。で、どうしたの?』

てか、かっこいい人・・・

綺麗な茶色の髪に、ちょっと焼けた肌。

タレ目でちょっと可愛いけど頼もしい感じな人だなぁ。

『おーい。ぼーっとしてどうした?』

気づいたらその人は私の前まで来て手をひらひらさせていた。

「わぁっっ!!」

私はのけぞりかえり、転んでしまった。

『大丈夫?立てる?ごめんねー』

「あ、いえ、ぼーっとしてた私が悪いんで」

『あ、でさ、どうしたの?君リボンの色からして1年生だよね?もしかして迷子?』


リボンの色。赤なんだ。

あ、確かに先輩かな?この人は青のネクタイしてる。

「はい、1年です。教室行こうとしたら迷子になっちゃって・・・」

『そっかそっか!で、何組?』

「えっと、1-Aです。」

それを聞いた先輩は歩き出した。

『こっちだよ。でも、A組ってことはそれなりに頭良いんだねー』

「えっと、そういう訳じゃないですよ。」

『あー、うちの学校ね、成績順でクラスわけるのだから、A組はその中で一番上だよ。』

そうなんだ・・・。知らなかった。

「そんなルールあるんですね。でもなんで私なんかが入れたんだろ?」

『そりゃ、単純に入試の結果がよかったからでしょ!すごいね!』

「そうなのかなー?だといいです。」

『あ、ほらここが君のクラスだと思うよ!』

あ、いつの間についたんだ。
あっという間だったなぁ

『じゃーね。また何かあったらさっきの教室おいで!たいていはあそこにいるから!』

「あ、はい!ありがとうございました。あっ、名前なんて・・・」

あっ、いっちゃった・・・

名前を聞こうとした時にはもう階段を登りきった後だった。

あーあ、名前くらい知りたかったな。

また会えるかな・・・


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