何年経ってもあなただけを
「行くよ」



「「はい!」」



幹部室を出て階段を降りると、待ち続けていた君がいた。



だけど君は昔のようなお花が咲くような笑顔じゃない。



私を見ると、殺気を出し、睨むのだ。



それは君と初めて出会ったときのようで。



懐かしくて、口が緩みそうになるのを必死に耐えた。



「狼鬼の総長か?」



「そう。あなたが新しく九龍の総長になった人ね?」



そう、九龍の総長は最近代わった。



下っ端だったやつが一気に総長になったと、街でも狼鬼の中でも噂になっていた。



それがなぜかすごく気になって。



調べた結果、君だと知ることができたんだ。



また君と会えて嬉しい反面、複雑な思いもある。



だって、私たちは敵同士だから。








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