何年経ってもあなただけを
「俺は鳴瀬綾音-ナルセ アヤト-。九龍の現総長だ」



「私は凪原依杏-ナギハラ イアン-。狼鬼の総長よ」



ねぇ、私の名前に少しは何か思い出さない?



昔の名前とそんなに変わらないよ?



君だって昔の名前とそんなに変わらない。



それもあって気づくことができた。



だけど、私の名前を聞いても君は睨むのをやめない。



やっぱり。



前世なんてそう簡単には思い出さない。



私が異常なだけ。



昔からそうだ。



生まれつき銀髪で、そのせいで親に捨てられた。



だけどそんな私をみんなは愛してくれたから。



私は〝私〟のまま生きていけた。



ねぇ、その中に君も入ってるんだよ。




史音…。










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