何年経ってもあなただけを
「で?その九龍の総長さんが狼鬼に何の用かしら?」



九龍…鳴瀬が入ってから街の警察と言われるようになった族。



たった3年で狼鬼に近づくことが出来たのも、鳴瀬の力のおかげ。



笑った顔はひまわりが咲いたようで、その笑顔と人懐っこい性格で下っ端たちからも慕われている。



本当、どこまでも史音と似ている。



「特に用はない」



ないんかい!!!



きっと狼鬼のみんなもそう思ったんだろうね。



呆れた顔してるし。



でも…用がないなら来てほしくなかった。



史音の生まれ変わりがいる。



その情報だけでよかった。



そうしたら、敵の情報として、私は受け止めることができた。



…こうして顔を合わせてしまったら、もうそんなことも出来ない。



私は…大切な君を目の前にして、目をそらすことなんで器用なことは出来ないから。





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