何年経ってもあなただけを
だけど、再会にしては運命は辛く。



そして私のように記憶があるわけでもなかったのだ。



それに気づくのが、少し遅すぎた。



気づいた時には、私と君は敵同士。



拳と拳をぶつけ合うことしかできない。



話したい。



あの頃のように、寄り添い、背中を任せ合いたい。



だけど今の状況がそれを許さない。



どうして。



私は自由と幸せを手に入れるためだけに、あんなに頑張ってきたのに。



生まれ変わった先でこんな試練が待ち受けているなんて。



神様はなんて残酷な人なんだろう。



そう思うと同時に、姿や名前、雰囲気が変わってしまってても、君だと気づけることができた。



それがすごく嬉しかった。



そこにまた好きという思いが増えた。



敵同士でも、好きという思いは生まれてしまう。



だって私は人間だから…。





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