最後の恋 【番外編: 礼央目線】
「…なんで、泣くの?」
「…え……?」
「その涙に、松野さんの隠された気持ちが込められてるって思っていいのかな?」
関係ないと思ったのに、そんな涙を見せられたら嫌でも期待してしまう。
彼女は観念したかのように…黙ったまま静かにうなづいた。
その後の俺達は急くように店を出てタクシーに乗った。
本当はもっと時間をかけて大切にしたい。そう思うのに、もう待てなかった。
彼女を自分のマンションへと連れて帰ると、10年分の思いをぶつけるように彼女を抱いた。
俺だけじゃなく、彼女自身もそう感じ求めてくれているのが目を見て分かった。
彼女の目が声が、俺の理性を狂わせていく。
はじめて触れる彼女の唇…彼女の全てに夢中になり女性を抱いて初めて相手を愛しいと思う気持ちが心の底から湧き上がった。
彼女の事が堪らなく愛しいーーー。