最後の恋 【番外編: 礼央目線】
俺にとっては父親でも、彼女にとったら単に『恋人の父親』だけでなく『社長』でもあるのだから。
彼女の事は絶対に失いたくない相手だからこそ、慎重になりすぎていた。
それが逆に彼女を苦しめているとも知らずにーーー。
父には、いずれはそのつもりなのでもう少し待ってくださいとお願いしてどうにか納得してもらった。
実家からの帰り道で俺の携帯が鳴る。
ハンドルのボタンを押し電話に出ると、聞こえて来たのは紫乃の声だった。
彼女とは、時々はメッセージでのやり取りはあったものの電話で話すのは久しぶりだった。
なのにそんな挨拶もなく、いきなり話し始めた。
『礼央…私、今……会ったの。』
「え、誰に?」
『杏奈…杏奈に会ったの。本当に偶然であっちも相当驚いてたけど。素敵な彼と一緒みたいだったから今度ゆっくり会おうって約束して今別れたところ。それでね…』
紫乃がまだ何かを話そうとしたけど、紫乃から聞いた言葉に冷静さを失ってしまう。
「どこで会った?彼女が今どこにいるって?」
彼女の事は絶対に失いたくない相手だからこそ、慎重になりすぎていた。
それが逆に彼女を苦しめているとも知らずにーーー。
父には、いずれはそのつもりなのでもう少し待ってくださいとお願いしてどうにか納得してもらった。
実家からの帰り道で俺の携帯が鳴る。
ハンドルのボタンを押し電話に出ると、聞こえて来たのは紫乃の声だった。
彼女とは、時々はメッセージでのやり取りはあったものの電話で話すのは久しぶりだった。
なのにそんな挨拶もなく、いきなり話し始めた。
『礼央…私、今……会ったの。』
「え、誰に?」
『杏奈…杏奈に会ったの。本当に偶然であっちも相当驚いてたけど。素敵な彼と一緒みたいだったから今度ゆっくり会おうって約束して今別れたところ。それでね…』
紫乃がまだ何かを話そうとしたけど、紫乃から聞いた言葉に冷静さを失ってしまう。
「どこで会った?彼女が今どこにいるって?」