ああ 私の理想的学園生活
春 それは始まりの季節
がやがやと生徒たちが楽しそうに話す。
掲示板のクラス発表の紙を見て固まる私には周りの声が遠く感じる…。
「やった!えりちゃんと同じクラス」
「高校でもよろしくね、みっちゃん♪」
ちっ、と思わず舌打ちしたくなる衝動を押さえる。
耐えろっ耐えるんだ私!ここで舌打ちをしたらお前の負けだ、ただこれだけは言わせて欲しい。
お前ら違う場所でやれや
どうか私に幸せオーラを見せつけないでほしい。
もう恨めしすぎて、私もその台詞言いたかったのに。
「あっ、早くいこ」
隣の二人はそそくさとその場を去っていった。
もしや、私の心の声が聞こえていたのかな。
なんてな、分かっているともお二人さん。
私の隣に立つ彼に怯えているのだろう。
「…葉月葵」
名前を探しているようだ、声に出てるよ葵くん
おや、どうやら隣のいかにも怖そうな目付きの悪いボーイは私と同じD組ではないか同士よ
「初めまして、私もD組の早坂光って言います!よろしくね葵くん」
葵くんは鋭い目付きを私に向け、行ってしまった。
無視ですか!
入学式に友達作ろうと思って期待と不安に胸かいっぱいの私を無視ですか
胸がいたい…
そもそもなんで私がD組なんだ
よし、ここにいても始まらない
そう思い、私は職員室に向かった。