小悪魔なキミに恋しちゃいました。
教室の後ろでは、ニヤニヤと笑う悠陽ちゃんと大和くん。
もう、そんな笑い事じゃないんだってば!!
「きゃあ!まだ玲央くんいるよ!玲央くーん!」
「本当だ!これからカラオケいこー!」
1人でモヤモヤしていると、徐々に騒がしくなる廊下。
いつの間にか、王子ファンの面々が集まってきていた。
それに気づいた結城くんは、みんなに見えないように眉間にシワを寄せながら、ちぇっと舌打ちをした。
「キミのせいだからね」
結城くんは一言だけ私に文句を言ってから、カバンを持って教室を出ていった。
私のせいって……
そんなの自業自得じゃない。
結城くんの本性が早くバレちゃえばいいのに。
「ほらほら、そんなにダーリンを睨まないの」
「……悠陽ちゃん!」
「そんなことより、時間大丈夫なの?」
「はっ!やばいよ!行ってくる!!」
せっかく早めに行って復習でもしてようとおもったのに。
もう、すっかり遅くなっちゃった。
悠陽ちゃんに言われて、時間が迫っていることに気づいた私は、駆け足で追試を行う教室へと向かった。