小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「では、始め」
試験監督はもちろん成宮先生。
配られたテスト問題は、全部で10問。
追試は6割以上取れれば合格だから、6問正解すればいい。
シャーペンを握って、問題と向き合う。
……あれ?
この前の試験の時は、頭を抱えてしまうほど進まなかったのに。
この問題、わかる。
今までが嘘かのように頭の中に使うべき公式が浮かんできて、ペンがスラスラと動く。
何これ、すごい!
自分に感動しながら問題を解いていく。
「はい、やめー」
試験開始から1時間後、成宮先生の掛け声で試験が終了する。
次の追試の予定や、受けている人数が十数名だったため、採点もすぐに行われた。
教員歴も長い成宮先生は、出際もよく、慣れた手つきで採点を進めていき、あっという間に全員分を終えてしまった。