小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「玲央なら、今日はまだ来てないよ」
「えっ、いやそんな。別にどうでもいいよ……」
「もう、嘘ばっかり。茉莉ったらね、愛しのダーリンにデートに誘われたらしいのよ」
「ちょっ、悠陽ちゃん!!」
止めてももう遅い。
大和くんに伝わってしまい、不敵な笑みを返される。
「へぇ〜、だから茉莉ちゃん、玲央のこと気にしてたんだ」
「だから違うってば〜」
もう、悠陽ちゃんのせいで語弊を招いちゃったじゃない。
そんなことないのに。
確認したのは、結城くんに話が聞かれてないか心配だっただけだよ。
そうこうしているうちに、結城くんが教室へとやってきた。
朝から、当たり前のごとく女の子に囲まれ不機嫌な様子。
決して表には出さないけれど。
「玲央、茉莉ちゃんをデートに誘ったんだって?なかなかやるじゃん」
「あっ……」
や、大和くん!!
なんで私の周りは、こう……
からかうのが好きな人ばかりなの?
結城くんはというと、大和くんには無反応で、そのまま席についたかと思えば、窓の外を見つめている。