小悪魔なキミに恋しちゃいました。
買い物の後は、このショッピングモールで人気の抹茶専門のカフェに入って、ひと休み。
「今度のデート、どうだったか報告よろしくね」
「いや、何もないと思うけど……」
その、ただの追試を頑張ったご褒美ってだけだし。
ほんのり甘い抹茶ラテを飲んで、そう答える。
ただし、悠陽ちゃんはそうはそれで納得するような子じゃない。
「だめよ。茉莉が何か行動起こさないと!」
「そんなこと言われても、結城くんのこと別に好きなわけじゃないし、むしろ嫌いっていうか……」
そうだよ。
そもそも、付き合っているとはいえ、相手は大嫌いな王子様。
行動を起こすも何も、いっそのこと、嫌われてしまいたい。
……って、あれ。
少し前まで本当にそう思っていたはずなのに、今思うと何故か胸のあたりがチクッとした。
「さぁ、本当にそうかしら?まぁ、とにかく小さなことでも教えてよね〜」
「うん、わかった」