小悪魔なキミに恋しちゃいました。


私たちが案内されたのは、奥の少し椅子が低めのテーブル席。



「うわぁ、椅子ふかふかっ」



座るなり、その椅子の座り心地が良すぎて思わず声に出てしまう。



結城くんには「子どもなの」と恥ずかしいツッコミをいただき、店員さんにも笑われてしまった。



「ふふっ、こちらメニューになります。お決まりになったらお呼びください」



店員さんはメニューを広げて置いて、カウンターの方へと戻っていった。



「もう、店員さんに笑われちゃったじゃん……」



「それはお子様のキミが悪いんでしょ」



少しムカつくけれど、自分の行動も子どもっぽかったと反省する。



「さーてと、ご飯選ぼー」



無理矢理話をそらして、メニューに目を移す。



スパゲティーにオムライス、ハンバーグにピザ。



メニューはとても豊富で、美味しそうなものばかり。



ふわふわ卵のオムライスも美味しそうだし、カルボナーラも美味しそう。



優柔不断な私は、うーんと考えてカルボナーラに決めた。



「な、何っ」



メニューから顔を上げると、私の方をずっと見つめる結城くんがいた。



あまりにも真剣にこっちを見ていて、私はただ赤面してしまう。



だって、そうでしょう?



誰でも人に見つめられたら照れちゃうじゃない。


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