小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「何、欲しいの?」
「えっ……そんなことないもん。いらないから」
思わず私は、そのオムライスを見つめてしまっていたようで、それが結城くんに気づかれてしまった。
必死に否定したものの、カルボナーラと迷っていたそのオムライスが気になっていたのは、隠し通せなかったらしい。
「キミはウソをつくのが下手だよね」
「なっ」
それは図星だ。
自分で認めたくなんかないけれど、嘘をついてバレなかった試しはない。
いつも悠陽ちゃんに考えてることがバレてしまっているのが、何よりの証拠だ。
「ほら、口開けて」
「いや、でも……」
結城くんはスプーンに一口オムライスをすくって、私の方へと向ける。
だってさ、これって食べたら結城くんと間接キスってことでしょ?
そんな……
意識したくなくてもしてしまう。
想像するだけで恥ずかしい。
「ふーん、いらないの」
「あぁ」
そんな一言に思わず反応してしまって、これじゃあ食べたい欲が丸出しだ。