小悪魔なキミに恋しちゃいました。

「食べたいなら素直に言えばいいのに」



「……うぅ」



「今度こそ口開けて」



そう言われて言われるがまま、口を開ける。



スプーンに乗せられた、卵が光る美味しそうなものオムライス。



そのまま私の口に……は入らず、Uターンをして、それは結城くんの口の中へ。



「ゆ、結城くん！」



「ふはっ。ブサイクだね、キミの顔」



「……っ、結城くんのばかっ！もういいもん、知らない！」



結城くんの意地悪。



素直にもらおうとした私がバカだった。



こんな意地悪に、私は何度引っかかってきたか……



本当に学習能力ないんだな、私。



「茉莉」



「へっ……んっ！？」



落ち込む私の名前を呼んだのは、間違いなく結城くんで……



初めて下の名前を呼ばれたことに驚いた私は、間抜けなことに口を開けて上を向いてしまって、見事にその口の中にオムライスが入ってきた。



「どう、美味しい？」



「お、美味しい……けど」



な、何。



何なの！？



結城くんの行動はよく分からない。