小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「……何。そんなに僕のこと見つめられても困るんだけど」
「え、いやっ……甘いのダメなのに、なんで私を連れてきてくれたのかなって思って」
「そんなこと?キミ、もう忘れたの?追試頑張ったご褒美だって言ったよね。本当、キミってバカ」
「私の、為に……」
もしかして、このケーキだけじゃなくて、結城くんが頼んだオムライスも……
私が迷っていたことを知ってで頼んだの?
「そうだよ、何回僕に言わせるの?」
結城くんはそう言って、顔を隠すようにそっぽを向いた。
「ふふっ」
「何、笑ってんの?本当、やだ」
だって、隠せてないんだもん。
その赤く染まった耳。
そんな滅多に見ることが出来ないであろう、焦る結城くんが可愛くて……
思わず笑ってしまった。
いつもこう、素直でいればいいのに。
そんな結城くんの方が好き……って、何考えてるの私は。
勝手に妄想して恥ずかしくなって、2人とも真っ赤になりながらお茶をする私たちは、周りから見たら少し浮いているかもしれない。