小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「……綺麗」
「でしょ?たまに来るんだ、ここ」
結城くんはそう言って、草むらに腰を下ろした。
「隣、座りなよ」
そう言われて、私も隣に腰を下ろす。
何時間でもここにいられそうだ。
それくらい綺麗な景色が広がっている。
結城くんは、私の知らない綺麗な世界をたくさん知っている。
「なんで」
「ん?」
「なんで結城くんは、こんなに綺麗な所を知ってるの?」
私は、ただ目の前に広がる夕日を見つめて、そう問いかけた。
「うーん、そうだね。綺麗な色が輝く世界をずっと見ていたい。それだけ」
結城くんのその言葉は、私にはよく分からなかった。
それから、夕日が半分くらい沈んだ頃。
「はい、これ」
結城くんから手渡された何か。
「何、これ」
私の手の中に、ギュッと握らされたそれは、一つのキーホルダー。
「……これって、まさか」