小悪魔なキミに恋しちゃいました。
第3章─小悪魔なキミの秘密を知りました。
小悪魔なキミの優しさ
季節は7月。
もうすぐ夏休みだ。
それにしても暑い、暑すぎる。
校則で膝丈にしないと行けないスカートは、脚にまとわりついて気持ちが悪い。
照りつける太陽の光は、私のカバンについているキーホルダーから跳ね返り、キラキラと輝く。
「あー、またキーホルダー見てる。本当にダーリンラブだよね」
「なっ、悠陽ちゃん!」
後ろから走ってやってきた悠陽ちゃん。
軽く体当たりしてくるものだから、びっくりする。
「そんなキーホルダー見てないもん。それに、あんなやつ好きじゃない」
私のカバンについているのは、追試を頑張ったご褒美にと結城くんから誘ってくれたあの日にくれた、ガラスのキーホルダー。
どこにつけようか迷った末、カバンに付けることにしたのだ。
あの休み明けには、当たり前のように悠陽ちゃんから質問攻めを受けて、あんなことやこんなことを洗いざらい話すことになった。
思い出すだけでも、恥ずかしくなる。
そして、その日からつけているこのキーホルダーを見つけた悠陽ちゃんは、毎度の如くネタにして私をからかってくる。