小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「好きじゃないなんかいいつつ、ちゃんと大事にしてるじゃんね」



「それは……」



せっかく貰ったものだし、粗末に扱うのはね……



それに、可愛いし……



何かと自分でも気に入っているんだ。



「もう、いいでしょっ!ほら、暑いから早く学校行こ!」



いつまでもニヤニヤ笑う悠陽ちゃんから、逃げるように歩くスピードを速めた。



「茉莉が逃げた!」



私より運動神経がいい悠陽ちゃんから逃げられるわけもなく、あっという間に追いつかれてしまい、結局からかわれながら教室まで行くことになった。



「いやー、本当暑い!」



「ね……」



学校の中は日陰になるし、少しは涼めるかと思ったけれどそれは大間違い。



クーラーなんて便利なものはないし、おまけに窓を開けても風が通らないんだから最悪だ。



さらに昨日は大雨で、湿気がこもっているからジメジメとしている。


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