小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「じゃあ、私バイトだから」
今日悠陽ちゃんはアルバイトの日。
学校の最寄り駅前の喫茶店でアルバイトをしている。
放課後すぐにシフトが入っているらしく、あまりゆっくりしていられないのだ。
「茉莉、頑張るのよ?もしなんかあったら連絡して?」
「ありがとう、悠陽ちゃん」
冷たく突き放すこともある悠陽ちゃんだけど、私のことを気にかけてくれるとても優しい親友だ。
手を大きく振って、悠陽ちゃんを教室から見送った。
「さてと、行きますか……」
気が重い。
重たい足を引きずりながら、職員室へと向かう。
教室から職員室へはそんなに離れていない。
だからか、すぐに着いてしまった。
「ふぅー」
大きく息を吸って、ゆっくりと吐く。
逃げることもできない私は、意を決して職員室のドアを開けた。