小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「この天気、昨日の雨が嘘みたいね」
「本当に」
「そういや、昨日も中庭で待ち合わせしてたんでしょ?雨大丈夫だった?」
そう。
昨日、本当は曇予報で、放課後はいつものように結城くんと中庭に来ていた。
特に話すこともないし、空は雲ばかりだし……
相変わらず結城くんは空を見上げていたけど、私は最近買った本を読んでいた。
そろそろ帰る頃かという時、突然大粒の雨が降ってきて、私たちはずぶ濡れ。
制服は絞れそうなほどべちゃべちゃだし、髪もメイクも崩れて最悪だった。
そんな私に比べ、結城くんは雨に濡れてもかっこよくて、思わず見とれてしまった。
……ってそんなことはどうでもよくって。
「本当、最悪だったんだよ?雨予報なんて無かったから、傘も持ってきてないし、あのまま濡れて帰ることになったんだから……っくしゅん」
「大変だったのねって、大丈夫?」
「う、うん」