小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「この天気、昨日の雨が嘘みたいね」



「本当に」



「そういや、昨日も中庭で待ち合わせしてたんでしょ?雨大丈夫だった?」



そう。



昨日、本当は曇予報で、放課後はいつものように結城くんと中庭に来ていた。



特に話すこともないし、空は雲ばかりだし……



相変わらず結城くんは空を見上げていたけど、私は最近買った本を読んでいた。



そろそろ帰る頃かという時、突然大粒の雨が降ってきて、私たちはずぶ濡れ。



制服は絞れそうなほどべちゃべちゃだし、髪もメイクも崩れて最悪だった。



そんな私に比べ、結城くんは雨に濡れてもかっこよくて、思わず見とれてしまった。



……ってそんなことはどうでもよくって。



「本当、最悪だったんだよ?雨予報なんて無かったから、傘も持ってきてないし、あのまま濡れて帰ることになったんだから……っくしゅん」



「大変だったのねって、大丈夫?」



「う、うん」


< 130 / 252 >

この作品をシェア

pagetop