小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「熱下がってはいないみたいだね」
結城くんはそう言うなり、出ていき、どこからか冷えピタを持ってきて、私のおでこに貼った。
「その、先生は?」
「あー、職員会議だとか言って出てったよ。あとは僕に任せるとか言って、病人がいるのに無責任」
無理矢理私のお世話を押し付けられたのか、文句をもらしていた。
「そんな、私なんて放っておいてよかったのに」
私がそう呟くと、「あのねぇ」と結城くんはちょっぴり怒っていた。
「僕がそんな病人を見捨てるような人に見えるわけ?僕はキミの何なの」
「……意地悪な小悪魔」
「なんだって?」
「いえ、なんでもありません」
はっきり言って、結城くんが病人を見捨てる人だとは思っていない。
だって、私の異変に気づいてくれたのは結城くん。
自分でも熱が出てるなんて自覚していなかったのに、結城くんが気づいて、連れてきてくれた。
それに、何だかんだ今も看病してくれている。
「飲んだら?」なんて言いながら、自動販売機かどこかで買ってきたスポーツドリンクも渡してくれた。