小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「それに、キミの友達。宮野さんに頼まれたんだよ。キミのこと家まで送り届けないとぶん殴るって」
ゆ、悠陽ちゃん……
結城くんにそんなことを。
半分面白がっているんだろうけれど、悠陽ちゃんならやりかねない気がする。
ごめん、悠陽ちゃん。
「どう、起き上がれる?」
「うん、何とか…」
まだフラフラするけど、何とか立つことなら出来そうだ。
私の返事を聞くと、結城くんは持ってきてくれていた私のカバンを肩にかけていた。
私のカバン重いのに。
「結城くん、カバン自分で持つから」
「何言ってるのキミ。そんなフラフラして転ばれたら困るんだけど」
結城くんはそう言って、カバンを持たせてくれない。
そうかと思えば、私の前に来て、背中を向けながらしゃがみ込んだ。
「……えっ?」
「え、じゃなくて。早く乗ってよ」
「乗るって、どこに?」
「どこって……本当キミ、バカなの?僕の背中しかないでしょ」
えぇっ?
それって、おんぶするってことでしょ?
「無理、無理だよっ。私重いし……カバンだって持ってもらってるのに」
「まともに歩けてないくせに、よく言うよ。こういう時くらいは頼ればいいじゃん」