小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「うわっ」



男の子の力はすごい。



私を軽々と持ち上げて、保健室を出た。



「お、重いでしょ?重かったらおろして」



「うん、重い」



「なっ……!」



デリカシーってものはないの?この人には。



普通こういう時は、重くても「重くないよ」って言うところじゃないの?



やっぱりこの人は悪魔だよ。王子様なんかじゃない。



「嘘だよ。もっとご飯食べたらどう?」



「ふん。今更お世辞言っても遅いもんね。」



私、もう怒ったんだから。



……と言っても、身体は動かず抵抗はできない。



結城くんには「熱あるくせにお喋りだけは止まらないね」なんて嫌味も言われ、気分は最悪だ。



文句は言われながらも、結城くんは私のことをおんぶしたまま、家まで送ってくれた。


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