小悪魔なキミに恋しちゃいました。
頼まれたのは、成宮先生が担当している分のクラスの子に配る課題プリントをホチキスでまとめて欲しいとのこと。
先生が担当するクラスと言えば、この学年全クラスのため、ざっと200人分程だ。
数字を考えただけで、あまりの多さにクラっとする。
おまけにまとめるだけでなく、印刷も頼まれ、とんだ災難だ。
3枚のプリントを200枚ずつ印刷をかけ、重いプリント類を教室へと運ぶ。
「成宮先生、鬼だよ……本当」
教室についた頃には、残っている生徒は誰もいなかった。
一人寂しく雑用をこなすのも嫌だが、その姿を見られる方が恥ずかしいからと、ホッとする。
空いている机にずらりとプリントを並べて、3枚組にまとめていく。
誰もいない教室に、部活の暑苦しい掛け声と虚しいホチキスの音だけが鳴り響く。
何が良くて、私はこんなことをしてるんだろう……
今頃優雅におやつを食べながら、貯めているドラマを見る至福の時を送っていたかもしれないというのに。