小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「それだけじゃないわ。消しゴムを借りたり、仲良さげに話していることもあるらしいじゃない」



そんなところも見られてたんだ……



それは教室での出来事で、きっとクラスにいる王子ファンの子がこの子達に伝えたんだ。



こんなことなら、もっと関わらないように徹底しておくべきだった。



「今日は大目に見てあげる。玲央くんは、みんなの王子様なの。独り占めなんかしたら、次こそただじゃ置かないわよ」



その女の子4人組は、それだけ言い残して去っていった。



「……怖かった」



ずっと気を張っていて、緊張が解けた私は、その場に座り込んだ。



恐れていたことが起きてしまった。



その後は、中庭で会ってることはバレてないと分かっていても、何だか会うのが怖くて、そのまま家に帰ってしまった。



家に帰ると、音が鳴る私のスマホ。



画面を確認すると、予想通り結城くんからだった。



内容は"なんで来なかった?"と一言だけ。



これは、きっと次会ったらお仕置きコースかもしれない。



返事は絶対。



そう言われていたし、変に感づかれたくなくて"お母さんにおつかい頼まれてたの。ごめん"とだけ返しておいた。



早く連絡しなかったのは、悪いけど……



これでいいでしょ。



当分、結城くんとは関わらない。



そう心に決めて、その日は眠りについた。


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