小悪魔なキミに恋しちゃいました。


ここからは、悠陽ちゃんから聞いた話。



朝、悠陽ちゃんは私と分かれてから、いつも通り教室に来ていた。



遅刻ギリギリの時間に登校してくる結城くんと大和くんが来ても、私は当然のごとく戻ってくることは無かった。



悠陽ちゃんは、生徒玄関での私の態度があまりにも違ったことが気がかりで、絶対私に何かあったと直感で気づいたらしい。



「ねぇ、茉莉ちゃんは?今日休み?」



朝会っていない大和くんは、私が登校してきていることはもちろん知らなくて、悠陽ちゃんに聞いてきた。



そこで、悠陽ちゃんは大和くんと結城くんに「茉莉の様子がおかしかったの。もしかしたら何かに巻き込まれてるかもしれない」と相談したらしい。



「そしたらね、結城くんどうしたと思う?」



「……え?」



話の途中で悠陽ちゃんに、話をふられて戸惑ってしまう。



どうって……なにも想像がつかない。



「……無視、とか?」



「そんな、もっとすごい事よ。突然立ち上がって、血相変えて怒鳴ったんだから」


< 160 / 252 >

この作品をシェア

pagetop