小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「へっ?」
結城くんが、怒鳴った!?
あまりにも衝撃で、さっきまでうるうるとしていた目が一気に乾く。
「茉莉をどうしたってね」
悠陽ちゃんは、ニコッとして言った。
やっぱり、悠陽ちゃんの結城くんの声真似は全然似ていない。
「茉莉だってー。結城くんが茉莉って呼んだのよ?それだけでキュンキュンしちゃう!」
……さっきまでのしんみりとした空気はどこへ行ってしまったのか。
悠陽ちゃんはキャッキャと楽しんでいる。
その後は、王子ファンの子が私をどこかに閉じ込めるという噂を聞いたと証言し、それを聞いた結城くんは教室を飛び出していったという。
その後、悠陽ちゃんと大和くんも私を心配して探して回ってくれていたみたいだけど、途中で結城くんから大和くんに"見つけた。落ち着いたら、教室に戻る"と連絡があったらしい。
私の姿を見るまでは、不安で仕方がなかったみたいだけど、結城くんと一緒に戻ってきた私を見て安心したんだって。