小悪魔なキミに恋しちゃいました。
気づいたスキ<side玲央>
「ねぇ、茉莉ちゃんは?今日休み?」
朝のホームルームが終わったあと、大和が宮野さんにそう聞いた。
いつもはいるはずの須藤さんが、来ていない。
「あの……」
元気が取り柄なんじゃないかというほど明るい性格の宮野さんの様子がおかしい。
「茉莉の様子がおかしかったの。もしかしたら何かに巻き込まれてるかもしれない」
顔を真っ青にしてそう言った。
頭の中が真っ白になった。
授業中こそは、居眠りをしたり、集中してないんだろうという姿ばかりだけれど、サボることなんて見たことがない。
それに、一番仲がいいであろう宮野さんが、こんなに必死な顔でそう訴えているんだ。
これは、ただ事じゃない。
僕の直感が、そう言った。
詳しく聞いてみれば、今日の朝生徒玄関で須藤さんに会った時、何かを隠していたらしい。
念を押して聞いたけれど、須藤さんは「大丈夫」と言って通した。
でも、明らかに何かがおかしかった。