小悪魔なキミに恋しちゃいました。
僕も何となく感じてはいたんだ、最近の須藤さんの様子。
見えない何かに怯えているようで、僕のことを避けようとしているように見えた。
須藤さんに避けられるのは、納得がいかなくて。
思い通りにはさせなかったけれど。
そんなただの僕のわがままが、そうさせていたなんて。
「茉莉をどうした!」
自分でも驚いた。
須藤さんのことで、こんなにモヤモヤしていても立ってもいられなくなったのは。
気づいたら、立ち上がって声を張り上げていた。
あまりにも突然叫ぶから、クラス中の注目が集まる。
そりゃそうだよね。
いつもは物静かな僕が、こんなにも憤っているんだから。
それでも自分は抑えられない。
するとクラスメイトの1人が小さな声で呟いた。
「もしかしたら……どこかに閉じ込められているかもしれない」