小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「宮野さん、須藤さんのことお願いしてもいい?」
「うん」
僕には、やらなきゃいけないことがある。
きっと今は宮野さんが居れば、須藤さんは大丈夫だ。
僕は、固く拳を握って、教室を出た。
名前はわからない。
基本的に興味のない女子の名前は覚えない主義だ。
でも、同じ学年な事だけはわかっている。
1クラスずつ、探して回った。
「玲央くんが来てるよ!」
「誰探してるんだろ……」
その度に僕の名前が甲高い声で呼ばれる。
僕が探してるのはキミたちじゃないっていうのに。
すぐ見つからないかと思った。
しかし、2クラス隣に、その4人組はいた。
顔を見ると、さらに苛立ちは増す。
絶対に許さない。
僕がクラスに乗り込もうとすると、向こうが気づいたようだった。
「あ、玲央くーん!」
「まさか、玲央くんから私たちのところに来てくれるなんてっ!」
満面の笑みを浮かべて、キャピキャピとしながらやってくる。
声を聞くだけで吐き気がする。