小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「こんにちは」
「きゃーっ、玲央くんに挨拶されちゃったっ」
媚を売ろうとしている女の子達は、散々みてきた。
いつも鬱陶しいと思ってきた。
けれど、こんなにムカつくのは初めてだ。
───バンっ!!
鈍いその音は、教室中……いや、廊下へも響き渡った。
「え、ちょっ……」
女4人組は、突然のことに目を丸くしていた。
ただ事じゃないと気づいた周りは、騒然としている。
いつの間にか僕達の周りに円を囲うかのように大きなスペースが出来ていた。
「キミたちさぁ、須藤さんに何したの?」
まさか、このことを切り出されると思っていなかったのか、顔が真っ青になる。
その顔色を見て、この人たちがやったことに間違いないと確信する。
「本当、迷惑なんだよね。僕の周りをいつもうろうろとして。はっきり言って邪魔」
王子様なんてどうでもいい。
僕の作り上げたキャラなんてどうでもいい。
ただ、須藤さんを傷つけたことだけは……
「でも、須藤さんに手を出したら許さない」