小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「明日から夏休みでしょ?茉莉と玲央くんのイチャイチャが見られなくなると思ったら寂しいわ〜」



あの、悠陽ちゃん……そこですか!?



普通は、私と会えなくなって寂しい〜!とかじゃないんですか!?



それは「別に〜」なんて返されたら立ち直れないから、聞かないでおく。



「まずね、付き合っているって言っても私は結城くんなんて……んぐっ!」



大嫌いだし、と悠陽ちゃんに言い返そうと思ったのに、その言葉は大きな手の中へと消える。



「んんんっ!!」



その手の先を見てみると、あの嫌いだったスマイルはどこかへ消えた結城くんが、私を見つめたまま立っていた。



名前を呼んで早く解放してもらおうと抵抗するけれど、その手はなかなか外してくれない。



結城くんの後ろからやってきた大和くんも、目の前にいる悠陽ちゃんも、ニヤニヤしたまま私と結城くんの様子を見ている。



"助けてよ!"



そんなSOSを目で訴えるけれど、悠陽ちゃんはぺろっと舌を出して、ただ笑っていた。



絶対悠陽ちゃんはわかってるはずなのに……!


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