小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「…よーし、明日からは夏休みだ!せっかくの休みなんだから沢山遊ぶように」



長い校長先生からの話を終え、教室に戻った私たちは、担任の成宮先生からの話を聞いていた。



と言っても、私は半分聞いているようで聞いていなかったけれど。



なんかいいことを言ったのか、雄叫びを上げるように盛り上がる男子たちと、騒いでいる女子。



「おーい、須藤。つまんなそうにしてるけど、お前ちゃんと話聞いてんのか?」



「……へっ?き、聞いてますよ!!」



な、何!?



まさか、話を振られるなんて……



思ってもいなかった私は、たどたどしい返事をしてしまう。



あぁ、話聞いてなかったこと、バレバレじゃん。



……本当、最悪。



「まぁ、いい。本題はこっからだ」



ニヤリと不敵な笑みを浮かべた成宮先生からは嫌な予感しかしない。



それはクラスメイトのみんなも同じようで、耳を塞ごうとする人もいた。



「沢山遊べと言ったが、学生の本業は勉強だ!夏休み明け宿題が終わってない者は補習プリント追加するからなー!覚えとけよ?」



や、やっぱり……



夏休み前最後のホームルームは、現実を打ち付けられたまま終わった。


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