小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「茉莉、夏休み絶対連絡するから、沢山遊ぶよ!」



もう、絶対条件なのね。



悠陽ちゃんらしさに笑いながら、「うん、待ってる」と返事をした。



「……もう居ない」



悠陽ちゃんとしばらくお別れの話をしている間に結城くんの姿はもう無かった。



「相変わらず逃げ足だけは速いよな、玲央」



「そうだよね」



まだ残っていた大和くんが、カバンを肩にかけながらそう言った。



大和くんって、結城くんに対して結構毒舌だよね。



言わないでおくけれど。



「また中庭行くんだろ?」



「うん、約束だし……行かないと何されるか分からないし」



「ふーん、お仕置きのキス……とか?」



「や、大和くん!?」



何を言い出すかと思えば……!



大和くんって、てっきり優しい人だと思っていたけど……



類には類を呼ぶというやつなのか。



結城くんと大和くんは正反対のようで、ちょっぴり似たもの同士かもしれないと思った。


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