小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「はははっ、ジョーダン、ジョーダン!じゃ、またね、茉莉ちゃん」
「もう、大和くん!またね」
少し怒りながらも、お別れの挨拶をしたけれど、きっと大和くんには、怒っていることは伝わっていない。
さぁ、そろそろ行こうか。
また遅くなったら、それこそお仕置きされかねないし。
そこまで考えて、大和くんの"お仕置きのキス"を思い出して、ひとりで赤面してしまい、恥ずかしくなった。
「……お待たせしました」
少しだけ小走りしてついた中庭には、やっぱりもう結城くんは来ていた。
いつも通り空を見つめていた結城くんの隣に腰掛ける。
「遅かったね」
「違うよ。結城くんが早すぎるの。一学期最後なんだから少しくらい友達と話したらどうなんですか?大和くんとか……」
「別に。大和もいつだって会えるし、たかが夏休みくらい。永遠の別れじゃないだから」
……本当、冷たいんだから。