小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「……んぐっ、ひょっほ!」



「はは、ひょっほって何?面白いね、須藤さん」



頬を結城くんの大きな手で挟まれて、うまく話すことが出来ない。



「僕はそんな不細工なキミもかわいいと思うけど」



「ほぇ?」



突然そんなことを言うものだから、怒りなんて忘れてキョトンと結城くんを見つめてしまった。



「嘘だけど」



そんな私を見透かしたように、パッと手を離して不敵な笑みを浮かべる結城くん。



なっ、また私をバカにして……!



私のきゅんを返せ!



「……そ、そんなことより!突然呼び出して何なの!?」



せっかくゆったり、まったり、寂しく……は余計だけどお家で過ごそうと思っていたのに。



しかもすぐに出てこいなんて無茶振りをされて。



「そうそう、今日キミ暇?ううん、暇だよね?」



なんで、言い直したの。



お怒りの私は、本当は暇だけれど嘘をついた。



「あいにく今日は悠陽ちゃんと夏祭り行くんだから……!」



悠陽ちゃん、勝手に言い訳作ってごめん……



今いない悠陽ちゃんに胸の中で手を合わせて謝る。


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