小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「ふーん。僕はその宮野さんから、今日キミは暇だって聞いてたんだけど」
ゆ、悠陽ちゃん……
さっき謝ったこと撤回ね。
まさか、悠陽ちゃんからの回し者だったなんて。
「と、とにかく!私空いてないから、じゃあ!」
家の中へ入ってしまえばこっちの勝ち。
さっさと中へ戻ろうとしたけれど、反射神経は結城くんの方が上。
私がドアを開ける前に、結城くんの腕に捕まってしまった。
「拒否権はないって言ったよね?ほら、行くよ」
「ちょっと、待ってよ。行くってどこに?」
手はまだ繋がれたまま、行き先を告げられず結城くんに連れていかれる。
歩いていくにつれて、周りの人も多くなってくる。
それも、浴衣の人ばかり。
ガヤガヤと大きくなってくる人の声と賑やかな音楽。
この先にあるのは、お祭りだ。