小悪魔なキミに恋しちゃいました。


「あのさ、そんなに玲央くんのこと気になるなら、直接聞いてみたら?」



「そ、そんな訳ないじゃん!」



ううん、それは嘘。



毎日毎日。何故か頭の中に浮かぶのは、あの日の結城くんの切なげな顔で……



気になって仕方がない。



でも、そう言ってしまうと肯定してしまうようで、どこか強がっている私は、素直に認められなかった。



「ふーん、そっか」



どこか心配そうだけど、なにか企んでいそうな悠陽ちゃんの反応は、きっと私の嘘なんかとっくに見抜いているんだろうな。



ごめんね。



自分の中で整理がついたら、ちゃんと伝えるから。



そんな日が来るのかはわからないけど。



「じゃあ、私今日もバイトだから。また明日ね」



「うん、バイバイ。バイト頑張って!」



悠陽ちゃんは申し訳なさそうにしながらも、大きく手を振って行ってしまった。


< 196 / 252 >

この作品をシェア

pagetop