小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「大和、人気だね」
「確かに……」
クラスでもかっこいい部類に入る大和くんは、接客係。
ここの生徒からはもちろん、他校の女子からも大人気で、注文で指名を受けてしまうほど。
ここはホストクラブかとツッコミたくなる。
「ねぇ、玲央くんは?」
裏の調理場では、何やらバタバタと騒がしい。
何があったのかと、私と悠陽ちゃんは見つめ合った。
「どうかしたの?」
少し落ち着いた頃に、悠陽ちゃんが中にいる人に声をかける。
「それがさ、玲央くんがいないの」
「そうそう。玲央くんが接客してくれたら、お客さんもたくさん来てくれるはずなのに…!」
話を聞いてみれば、前半は結城くんがシフトに入っているけれど、どこにも姿が見当たらないとのことだった。
結城くんのことだ。
大勢の女の子と関わることを嫌っている結城くんだから、きっとどこかに隠れているんだろう。
気持ちは察するけれど、行事をサボるのは感心しない。
まぁ、私には関係の無いことだけど。