小悪魔なキミに恋しちゃいました。
「戻ろ、悠陽ちゃん」
「あぁ、うん。ごめん、シフト戻るねー」
裏からお店に戻ると、少し途切れ始めていたお客さんの列が長くなっていた。
忙しさが増し、ずっとお店に立ちっぱなしの大和くんは、疲れ気味の表情。
「茉莉ちゃん、宮野。途中抜けとか……早く手伝って」
「あー、ごめんねー」
「全然気持ちこもってねーし」
私は、あははと苦笑い。
私たちが少し裏に入っている間に、お客さんがまた増え始めていたらしい。
「本当は玲央くんの居場所気になってるんでしょ」
「だーかーら、結城くんはもう関係ないの」
口角は上げて笑みを浮かべたま、悠陽ちゃんには反論する。
違うって言ってるのに、悠陽ちゃんは何度も何度も……しつこいんだから、もう。